2026/05/16 18:31
こんにちは、オーナーの松本です。このサイトにブログ機能があることを知り、早速何か書いてみることにしました。よかったら最後まで読んでいってください。
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どうしてお店を始めたんですか? と時々お客様に聞かれます。もっともらしい理由はいくらでも挙げられるのですが、いやでも本当にどうして? と自問すると、きっと「場所がほしかった」ということに尽きる気がします。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は2014年から2023年までの9年間、館林市本町でダイニングバーをやっていました。ビジネスとしては成り立っていたし、正直言うとさらに良くなっていく兆しもあったのですが、私のもう一つの仕事のこと、プライベートのこと、将来のことなど色々な理由が重なって、お店を閉じることにしたのでした。
この写真が当時のお店です。楽しいお店でした。

お店を閉めてからも、当時一緒にやっていたEvaと「ああいう場所があるっていうのは大事なことだったよねえ」と時々話していました。食べ物や飲み物とお金を交換するだけ——そんな場所じゃなくて、もっと人と人が出会ったり、関わり合ったり、影響しあったり、喜びや悲しみを分かち合ったりできる場所。ふらっと寄ったらいつもの顔が見れる場所。私たちがやっていたのはそういう場所だったなあ、と、振り返って感じるようになったのです。
私はその時すでに埼玉(しかも結構東京寄り)に引っ越していました。Evaも60代後半ですから、あまり過酷な労働は——今はできたとしても——将来的に持続可能かというとそうではないでしょう。そこで、Evaがリラックスして営業できるようなスナックあるいはバーのようなお店をやって、私も週に1回くらいカウンターに立つ、みたいなことを考えるようになりました。しかしなかなかグっとくる物件が見つからず、気づけば数ヶ月が経っていました。
そんな時に、かつてのダイニングバーの常連さんと、ひょんなことから再会したのです。昨年9月のことでした。実はそれが今のラグスタのシェフ、久米田です。
彼が料理人であることは知っていました。カウンター越しのかつての会話から、いつか自分の店を持ちたいと思っていることも知っていました。しかし一緒に何かをやるなんてことは考えてもいなかったのです。再会した時も、最初は「お互いそのうちお店始められたらいいね〜」みたいな話をしていました。
彼が席を外した時、ふと、彼をどうにか応援できないかと改めて深く考えてみたのです。Evaの店と彼の店の2店舗をオープンするのは大変です。では、その二つを組み合わせることはできないだろうか……。
彼はイタリア料理をメインに修行してきた人です。となるとパスタやピザですが、スナックやバーで出したらあまりにもチープな印象になってしまうでしょう。お客様に求められている水準以上の料理を出すことは——もちろん喜ばれはするのですが——商売として圧倒的な強みになるわけではない、ということを私はダイニングバーの経験から知っていました。イメージ通りのものがイメージ通りの価格帯でイメージ通りに提供されることの安心感は、ブランドの一貫性につながります。もちろん「イメージより少しレベルが高い」くらいなら良いのですが、あまりにかけ離れたことをするのは得策ではないのです。
であれば、彼の専門性を活かしつつ、しかしもっとバー寄りの営業スタイルにする方法を見つけなければなりません。そこで、私はイタリア料理が広くは地中海料理であることを思い出したのです。地中海料理はイタリア、ギリシャ、スペインの伝統的な料理の総称で、オリーブオイル、ニンニク、トマト、魚介類、ハーブ、スパイス、ナッツなどをふんだんに使った食文化です。もし彼がイタリア料理にどうしてもこだわりたいというわけでないのなら……!
「ねえ、スペインバル、一緒にやらない?」席に戻ってきた彼に聞きました。これがスペインバル LAGUSTA の始まりです。
後から聞いたら「冗談とかノリで言ってるんだと思って、話半分に聞いてました」とのこと(笑)それからは物件探しに奔走したり、色々と紆余曲折があって一度は白紙に戻る可能性すらあったりと非常にバタバタしていましたが。なんとか無事に12月末のオープンを迎えることができました。

今考えても、思いついてから約4ヶ月でオープンまで漕ぎ着けたのはかなり早い部類だろうなと思います。当時はほぼ毎日何かの許可申請だとか行政機関への相談だとか、融資の申し込みやサービスの契約に奔走していました。
そしてそれからまた4ヶ月。5ヶ月目に入ったラグスタですが、まだまだ経営が安定したとは言えない状況です。先の見えない不安もあります。しかし少しずつリピートしてくれるお客様が増えていること、ご退店の際に「おいしかったです〜」と言ってくださる方が増えていること、そして来るたびにスタッフにお土産を持ってきてくれる方がいたりすることなどに、また新たな場所を作ることができたんだなぁと感慨深い気持ちでおります。
もちろん、商売としても成功しなければなりません。全員が副業やアルバイトだった前のお店とは違い、今回は久米田シェフを正社員として雇用しています。それはつまり、彼の生活を支える役目を私が負っているということでもあります。だから「場所が作れたなぁ嬉しいなぁ」なんて言っているだけではダメなのです。
でもやっぱり、場所ができて嬉しいのです。
この場所をお客様にとって楽しい、安らぐ場所にしていくのと同時に、働くスタッフにとっても安心して楽しく働ける場所にしていきたいと思っています。
皆さんにとって、ラグスタはどんな場所になっていくでしょうか。必要不可欠、とまでは言わないにしても、生活の一部と思ってもらえるようになったらいいな、と心から願っています。
ラグスタ
代表 松本

